Apitore blog

Apitoreを運営していた元起業家のブログ

評価指標入門を読んだ

献本いただいた「評価指標入門」を読んだ。全体を通して感じたのは「評価指標とは何かを説明する」という姿勢である。具体例を使って「データサイエンスの観点で問題を解く」だけでなく「評価指標に設定したものが真に意味するところはなにか」をちゃんと解説している。私が思うに、データサイエンティスト、アナリスト、PdMにおすすめ。

以下、雑筆。

著名なデータサイエンティストである高柳さんが執筆した本。

1章は「KPI」についてあらためて考えさせられた。たくさんの例があげられており、良いKPIは何なのかを考えさせられる。評価指標とKPIの関係を正しく設定できれば、そのデータサイエンティストの成果は会社の成長や売り上げに多大なる貢献ができるだろう。そう感じることができた。

2章は回帰、3章は二値分類、4章は多値分類を扱う。それぞれ評価指標をまとめている。ここでも具体例が多く、それぞれの評価指標をどう使うかだけでなく、評価指標が何を意味しているかをちゃんと書いている。説明がロジカルなので説得力がある。また、kaggleを使って解説しているので、手元で試せる。

付録は「ビジネスモデルの数理モデリング」。タカヤナギ=サン、いや高柳さんは普段こうやってビジネスを分解しているのだろうと予想する。とてもロジカルだ。

読後の感想。

けっこうなボリュームがあり、しかし評価指標入門というだけあって、サクッと読める。メジャーな評価指標は抑えてある。実践的な解説があるため、初学者に役立つだけでなく、中級以上になっても振り返るとはっとすることがあるだろうと感じた。

タカヤナギ=サンは、普段はクラフトビール飲んで「insane」と言っているおじさんだが、本書はとても良かった。次回作は「入門」ではなく「奥義」になるはずなので、今から待ちきれない。執筆の悪魔と契約して、なるはやでお願いしたい。