Apitore blog

Apitoreを運営していた元起業家のブログ

LINE株式会社を退職します

5月10日が最終出社日で、5月31日でLINE株式会社を退職します。2017年11月1日に入社したので、約1年半の所属でした。担当プロダクトはスマートスピーカーのClovaで、担当は主に機械学習配信基盤であるRekcurdのプロジェクトリードでした。

LINEでやったこと

1年の振り返りブログがあるのでそちらを参照してください。入社初期はNLUというClovaの自然言語理解の開発をしていました。その後はRekcurdという機械学習配信基盤まわりの整理と支援のためのプロジェクトをリードしていました。ちなみに年収は在籍中に年俸で10%アップしましたし、インセンティブやストックオプション(正確にはRSU)を入れると・・・前職からものすごく増えました。LINEすごい。

ソフトウェアエンジニアにとってのLINEについて

前職は富士ゼロックスというコピー機の会社で、新卒入社して研究職として働いていました。自然言語処理x機械学習を担当したり、画像圧縮の新規技術開発を担当しました。後半はイントレプレナーという意識高いことをしていました。富士ゼロックスはとても良い会社でしたが、IT系の開発環境という意味では世の中で漏れ聞こえてくる他の大企業のソレ(PCスペックやネット周りなど)とあまり変わりはないと思います。研究職は開発環境という点では恵まれていて、(自分で管理しなければなりませんが)複数台のコンピュータを持つことができました。 一方LINEではソフトウェアエンジニアのあらゆる活動を快適に行えるような環境があります。インフラチームは明確に居ますし、VerdaというPrivate CloudでVMを気軽に立てて開発できます。会社がインフラを用意してくれるので、インフラ周りは非常に楽ができました。また、高速インターネット完備、個人のスマホもネットにつなぎ放題です。支給されるPCは最新のMacBook Proですし、マウスやキーボードの貸与、追加ディスプレイ、追加MacBook、アーロンチェアと昇降机など・・・環境面が最高でした。もう・・・以前の環境には戻れない・・・。メーカも良いところはたくさんありますが、ソフトウェアエンジニアとしてキャリアを積みたいのであればLINEのようなインターネット企業が良いと私は思います。

LINEで一緒に働く仲間について

非常に優秀な人材が多く居ます。プログラミング力も障害対応力(※重要)も非常に高いです。前職の研究職のときには意識していませんでしたが、LINE Clovaはサービスを提供しているので「障害を如何に早く漏れなく検知できるか」が非常に重要です。同僚はそういう能力に秀でる方が多かったので、色々と勉強になりました。 NAVERとの関係性について。ClovaはNAVERと一緒に開発をしています。韓国側のメンバーとチャットを中心にやり取りを行い、定期的に出張してf2fで議論を進めたりします。私はあまり韓国側と接点を持つことがありませんでしたが、周囲のメンバーは頻繁にやり取りしていました。インターネットでは日韓関係は悪い印象でしたが、一緒に仕事をした韓国メンバーは非常に好意的で人柄も良く本当に良い仲間でした。むしろ積極的に日本語を覚えてくれているので、日本語でやり取りすることも多かったです(一方、日本人エンジニアはハングル覚えない・・・すいません・・・)。あと韓国はご飯がうまいし安いしとても良い(が、カライ)。 LINEの従業員の特徴としては「フットワークが軽い人が多い」と感じました。「仕事手伝って」というと手伝ってくれますし、「一緒にこれやろうぜ」というと乗っかってくれます。あとはDevRelチームが良いです。イベントを主催するときやイベントの協賛をお願いするときに、DevRelに相談すると(体感)100%なんとかしてくれます。会場提供や懇親会スポンサー、景品など・・・1回数十万円程度の支援をポンとしてくれます。私はハッカソンやミートアップを色々とやりがちなので、DevRelチームの協力は非常に非常に非常に助かりました。この点は本当に価値だなと感じていて、エンジニアが自主的に成長し企業価値を高めていくことに、会社のこの文化はとんでもなく寄与していると思います。一般的な企業はほとんどがそうだと思いますが、イベントを主催しようとするととんでもなく多くの資料を書いてとんでもなく多くの階層をひとつずつ攻略して・・・たいていは挫折か拒絶により個人でひっそりやろうとなりますので、LINEに来てからはそういうストレスや拘束時間から開放されたのが非常に良かったです。おかげで普段はエンジニアリングにより会社に貢献しつつ、その成果を折をみて外でPRし、企業と個人の価値を高めていけました。本当にすばらしい文化だと思います。

なぜ辞めるのか

もちろん辞めるのには理由があります。仕事に対して思うところもありました。ただ退職する一番大きな理由は「やりたいことがある」からです。私はアルゴリズムのマーケットプレイスApitoreを運営していますが、「世界中の技術を集約し、整理し、誰でも簡単に技術を提供でき、利用できる世界を作る」ことを目指しています。今やマーケットプレイスは多く出てきましたし、Google AutoMLやAmazon SageMaker、Microsoft AutoMLなど多くのAIプラットフォームが出てきました。そしてPFNやPKSHAなど多くのAIスタートアップが有名になりました。私の実現したい世界がどんどん近づいています。たぶん2年以内に私のビジョンの決着が着く。だからもっとど真ん中でやりたい。というわけで、次の転職先はABEJAです。担当はABEJA platformです。試用期間があるので、無事正式に雇用されたらまたブログで紹介しようと思います。ABEJAは積極採用していると思いますので、私と働きたいという稀有な方は一緒に働きましょう!

おわりに

現職ではClova開発室のメンバーやDevRel、Infraチームの方々など多くの方々に助けられました。本当に感謝しかありません。仕事も環境も給料も充実しているにも関わらず新しい挑戦を選んで迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思いつつ、快く送り出してくれたことに感謝します。同様に私の決断を応援してくれた妻にも感謝です。妻と二人の子供を経済的に支えられるように、新しい挑戦でも結果を出していきます。 最後に、私は面白いことが好きです。自分でも仕掛けますし、巻き込まれるのも好きです。企業としてでも個人としてでも構いませんので、おもしろいことやりたいひとは是非一緒にやりましょう。お気軽にご連絡ください!