ProgrammableWeb
ProgrammableWebには約15,000ものAPIが登録されている。ざっと見た印象はWebAPI界のWikipediaだ。今回はProgrammableWebについて調べてみた。ちなみにサイトは英語である。
トップ画面を見ればわかるが、ProgrammableWebには3つのコンテンツがある。
- API NEWS
- API DIRECTORY
- API UNIVERSITY
それぞれ見ていこう。
API NEWS
API NEWSは文字通りAPIのニュースだ。毎日最低1件は記事が投稿されている。 トップ画面からもわかるが、記事はカテゴライズされ検索しやすくなっている。投稿されている記事をざっと調べたが
- 企業のニュース1(○○に支店作りましたよとか、□□が△△を採用しましたよとか)
- 企業のニュース2(API関係、同種類のAPIを比較したとか)
- ProgrammableWebに新規登録APIのニュース
- APIのTIPS
こんな感じ。 WebAPI界隈のニュースが投稿されている。APIを通して企業が何を狙っているとか、どんな技術を持っているかわかるし、単純に企業の状況がわかる産経新聞的な感じでも読める。 APIのTIPSは全部を鵜呑みにする必要はないと思うが、APIはこうあるべきというところが勉強になるので、APIを提供している開発者には役に立つのではないだろうか。まとまってはいないし英語なので、手っ取り早く「APIあるべき論」を知りたい方は、2014年11月にオライリージャパンから販売された「Web API:The Good Parts」を読むといいと思う。
API DIRECTORY
API DIRECTORYは私の印象ではWebAPI界のWikipediaだ。15000を超えるWebAPIの情報がカテゴライズされて掲載されている。 こちらもNEWS同様、APIがカテゴライズされており、検索もできる。ここで明記しておく必要があるのは、あくまでAPI DIRECTORYはまとめサイトであって、APIそのものを提供しているわけではない点だ。つまり、APIを使いたい場合は、APIの提供企業のサイトに訪問or問い合わせして、それぞれ企業ごとに定められた手続きやユーザー登録、支払いなどをする必要がある。 (APIそのものを提供するプラットフォームとしてはAlgorithmiaがある。こちらもそのうち別記事で解説する。もちろん、我々ApitoreもAPIそのものを提供するプラットフォームだ) Google MAPを例に取り、どのような画面になっているか調べてみよう。 まずAPIの簡単な説明があり、続いて「スペック」「フォロワー」「デベロッパー」「マッシュアップ」「関連記事」「関連API」がある。 「スペック」はAPIの発行元情報やエンドポイント、プロトコル(JsonとかXMLとか)、SSL対応可否、SDKの有無、認証(Oauthなど)、などなどが載せられている。 「フォロワー」はProgrammableWebユーザーでこのAPIをWatchしているユーザーである。有名なAPIや有用なAPIにはたくさんのフォロワーがついているので、これをひとつの参考値にして利用するAPIを決めるのも良い。 「デベロッパー」は文字通り開発者だが、APIの開発者ではなく、APIを利用した別サービスの開発者ということのようだ。 「マッシュアップ」は上述したデベロッパーが開発した提供APIを利用したサービスが載せられている。 「関連記事」や「関連API」は文字通り関連情報である。API NEWSが載せられている。関連APIは同じ提供元のAPIというわけではなく、同種のAPIも載っている。Google MAPで言えばGoogleの他のAPIや、他の企業のMAP関係が載っている。 この他にも、APIを使ったサンプルコードだったり、実装のTIPSだったり、APIについてのレビューや質問コーナーだったりがある。当然、有名/有用APIは活発である。 いくつかのAPIについてはリンク切れがあったり、ユーザーからの情報提供がほとんどないものもある。特に日本企業のAPIはAPIの登録数も少ないし、ユーザーコミュニティが全然盛り上がっていない。
API UNIVERSITY
API UNIVERSITYはAPI界隈のルール作りだったり、実装や利用のTIPSだったり、チュートリアルが記載されている。文字通り学校的なサービスだ。 トップページを見ればわかるが、カリキュラムがある。「APIがどういう仕組みで動いているか」「APIの成功のための戦略」「APIのセキュリティについて」などだ。提供者と利用者の視点でそれぞれカリキュラムがある。複数回に渡る講義もあり、全体はかなりのボリュームがある。まだ一部しか読んでないが現時点で残念に感じるのは、講義がテキストのみで読むのがきついことだ。見た限りでは図表もなかった。
終わりに
簡単ではあるが、ProgrammableWebについて調べた。API検索の使い勝手は、慣れていないせいか使いづらく感じた。ピンポイントで探す分には問題ないが、顔認識だとかでAPIを検索すると、ヒットするAPIが多かったり、パット見では自分の欲しいAPIなのかわからなかった。価格設定や使い方は提供元のサイトを訪問しないと分からないものも多く、提供元のサイトもそれぞれが独自に構築しているので情報を探すのに一手間かかる。ユーザーコミュニティがない場合はTIPSも得られないし、そもそも有用なのかも分からない。APIの情報をここまで集約したという部分には価値があるので、そこから使うフェーズは自分で頑張るしかないのかなあ。幸い、検索についてはカテゴリがかなり細かく分けられているので、慣れれば狙ったAPIを即座に見つけられるのかもしれない。