Apitore blog

Apitoreを運営していた元起業家のブログ

LINEに入社して1年が過ぎました

はじめに

LINEに入社して1年(正確には1年と2ヶ月)が過ぎましたので、ここらで振り返りをしようと思います。いわゆるポエムです。みなさんが気になるであろう前職(富士ゼロックス)との違いやLINEでの働き方を書き綴ってみたいと思います。

LINEに来てからやったこと

LINEではClovaのソフトウェアエンジニアをしています。担当は主にNLU (Natural Language Understanding、言語理解) と機械学習モジュールの運用 (Rekcurd) です。担当しているRekcurdはKubernetes上で動作する機械学習モジュールの運用のためのソフトウェア群で、LINE Clovaのほぼ全ての機械学習モジュールをRekcurdで運用しています。あと趣味でいくつかの場所で登壇しました。下に資料を貼っておきます。Apitoreとしての活動は抑えめになっていますが、「誰でも簡単にコンピュータサイエンスを使える世界」という私のビジョンはRekcurdを通してゴリゴリやっているので、着実にビジョンの実現に向けてキャリアを進めることが出来ています。

プレゼンテーション

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執筆

その他

現職 (ITベンチャー) と前職 (日本の大企業) で違うところ

「ITベンチャー」や「日本の大企業」と広く定義しちゃいましたが、これから書くことはあながち間違いではないと思います。ITベンチャーと日本の大企業で大きく違うなと思うのは、組織の大きさと体制です。 日本の大企業は従業員数も多いですし、体制もしっかりとしています。各所に著名人や実力者がちゃんといます。あらゆるプロセスがルール化されていて、ミスが起きにくい体制が作られています。知財周りについては鉄壁と言って良いと思います。また新卒研修を始めとした研修制度も充実していますし、海外赴任制度を含めた多様なオプションにより自由にキャリアデザインを描けます。福利厚生も信じられないくらい充実していますし、社会的信頼も高いためローンも大きめに組むことが出来ます。そして給料が高い。 一方で、ITベンチャーは体制やルールが整いきれていませんので、ミスを起こすこともあります。また大企業と比べると給料以外は見劣りする部分もあります。こう見ると大企業が良いかなと思うでしょうが、私は今のところ大企業に戻りたい気持ちが少しもありません(LINEは大企業の一部だと思いますが・・・笑)。たぶん向き不向きの問題だと思います。それを説明します。

ルールが(充分で)ない = なんでもやれる

組織が若いため、ITベンチャーの階層構造はあまり深くありません。すぐそこに執行役員が居ますし、気軽に話しかけたりできます。その気になればフラっと直談判して企画を通すこともできそうです。そしてそういう行動を怒られる様子はありません。私が入社して2ヶ月くらいたったとき、ふと思いついた機能を実装して勝手に開発機に搭載してデモしたことがありました。見終わったあとに企画チームの担当者を紹介してくれて、その人はちゃんと企画会議に持っていってくれました(がボツになったので、その後は勝手に3rd party Clova Skillにして公開しました → 「ツイート要約」でスキルストアを検索してみてください)。 大企業時代でも勝手なことをやってきましたが、やりやすさは断然今のほうが高いです。大企業は動き出すまでにやらなきゃいけない資料や説得、根回しが多すぎるんですよね。。。体制や手順としては正しいと思いますが、大企業の場合は全部が全部にそのルールを適用するところが良くないかなと思います。チャレンジに大したリスクなんてないんだから、そのあたりはITベンチャーのように緩くできるかなと思います(ちなみに私は大企業時代もルールを守っていませんでした・・・)。

ITインフラが強い

ITベンチャーなのでITインフラが強いです。無料で使えるwifiがあって、個人のスマホを繋げることができます。ネットはめちゃくちゃ早い。前職では平時200kbpsくらいしか出ていませんでした(連休明けは20bps・・・)が、現職ではその1000倍以上は出ます。またLINEはプライベートクラウドがかなり強力で、それこそAWSやGCPのように使えます。VPNは当然あるので、どこに居ても会社につなぐことが出来ます。このあたりが当たり前になっているってのが相当強いです。これだけで大企業に戻りたくない理由になります笑 またGitHubやSlackも使えます。社内wikiもあります。IntellijのProライセンスもありますし、論文や書籍が色々と読めたり、どうやら他にも色々あるようです。前職が研究職であったのが理由なのか、情報共有関係のソフトウェアは各個人が管理し、共有先は自分だけってことがありました。今はチームで情報共有と開発をするので、これらのソフトウェアの機能を存分に使い倒しています。正直、こんなに便利だったのかと感動しました。今思うと、大企業の研究職でも絶対にこれらのソフトウェアを使い倒したほうが良いと思いますし、たぶん世界は使い倒しています。

羽振りが良い

羽振りが良い。良すぎる。怖いくらい。 会社の飲み会や交流会は全部会社が持ってくれます。それこそ大衆居酒屋ではなく、かなり高級感ある感じの店です。一人6000円から10000円はするんじゃないかな・・・。 給料は大企業以上だと思います。当然、給料はITベンチャーの規模によります。聞くところによると近隣企業の機械学習エンジニアは1000万円以上もらえているらしい(が、私はソフトウェアエンジニアなので該当せず)。昇給についてはよくわかりませんが、私は入社半年で5%ほど給料が上がりました。さらにITベンチャー同士の引き抜き合戦もあるので、渡り歩けばものすごく年収が上がっていくかもしれません。正直、前職にいたときより現在来るオファーの数は激増しています。あれだけレジュメを送ったのに完全に返信がなかったGoogleからも、転職後にはリクルーターから声がかかりました(面談は受けていません)。 あとは最新のMacBook Proと自宅作業用のMacBook、なんかすごい有名な椅子(アーロンチェアというらしい)と昇降机、おしゃれなカフェに無料で飲めるコーヒー、たまに無料で飲める酒、などなど。エンジニアリングでストレスが溜まる要素はないんじゃないかなと思います。 ある日ふと思ったんですが、大企業ってなんでITベンチャーみたいな環境用意できないんだろう?思ったよりお金がないのかな?

おわりに

ということで、転職して1年経ったので振り返りをしました。仕事のことはほとんど書かなかったけど、やったことはほぼ全部外で登壇しているのでそちらを御覧ください。現在は担当プロダクトを持って日々開発をしています。そしてそれは楽しいです。やはり何かの役にたったり、やったことが即座に市場からフィードバックもらえるってのは、生きてるって実感がありますね。自分の持つビジョンの実現に向けて着実にキャリアを進めていますし、今の職場や環境はあっていると思います。なお、転職のオファーは随時受け付けていますので、LinkedInのプロフィールを一読の上、ご連絡ください笑