はじめに
先日の投稿で今回の私の転職活動を紹介しました。本日はFacebook Japanの採用面接について書きたいと思います。海外のQAサイトのQuoraや求人サイトのGlassdoorにはチラホラ情報がありますが、日本のサイトはほとんど見かけないので参考までに。NDAを結んでいるので、QuoraやGlassdoorに書いてある情報と同じになります。
ポジション
今回はSolutions Engineerという職種に応募しました。詳細はこちらを見ていただくとして、私の理解した範囲で概要を言うと
- 業務の50%はSoftware Engineerで残りの50%はSolution Architect
- 広告(Marketing)APIの技術営業。クライアントの相談に乗って技術的な助言や適切な広告方法を模索する。
- 広告アルゴリズム(機械学習)の改善も出来るかもしれない・・・
私が応募した理由は、1. 技術(WebAPI)とビジネスを繋ぐ職種を希望していた、2. 私はWebAPIにも機械学習にも造詣が深いからコンピテンシー的にもマッチしていると思った、というものです。逆に先方からするとミスマッチかなと思ったのは、1. 私は広告業界に詳しくない(ApitoreでFacebook広告は出したけど)、2. 営業経験は乏しい(Apitoreでは営業もしているけど)、という点です。 応募のきっかけはこちらのツイートで、偶然見かけたのきっかけに勢いで応募しました。
【急募】Facebook 東京勤務のエンジニア職。当面の最後のポジションです。日本のクライアント向けのアドテクのアーキテクトと、製品開発を行うチームです。入社後は6週間の本社研修あり。詳細はお問い合わせください!!https://t.co/zopSG6cSr6
— Yusuke Ando (@yando) 2017年7月6日
面接
最初に結論を言うと、最終面接で落ちました。・・・もしかしたらそこまで実力で通過したのではなく「最低4回は面接をする」というルールがあったのかもしれません(ネガティブ)。ただ、毎回メールで「通過した」と連絡くれたので、実力で最終面接までたどり着けたと考えることにします(ポジティブ)。面接プロセスはとても刺激的で楽しかったです。リクルーターもコーディネーターも丁寧な方でした。 面接のステップは以下になります。
- リクルーターと電話でやりとり
- コーディングテスト(オンライン)
- コーディングインタビュー(1回目、オンライン)
- アプリケーションレビュー(オンライン)
- コーディングインタビュー(2回目、オンライン)
- ビジネスインタビュー(オンサイト)
事前準備
コーディングインタビューは人生で一度もやったことがなく、こちらのサイトを見て絶望したので、色々と準備しました。それを紹介します。
コンピュータサイエンスの再勉強
こちらを使いました。めちゃくちゃ良書です。 何気に履歴書の書き方や面接の準備の仕方も書いてあり、1年前から購入すべきでした(そのときは転職の予定なかったわけですが)。 英語でコンピュータサイエンスの用語を覚え直すのにも役立ったので、日本人なら1冊は持っておきたい良書だと思います。まじで。
オンライン会議
ウェブカメラとヘッドセットが必要で、急遽買いました。ちょっと値が張りますが、少なくとも全ての面接で問題なく使えました。不安な方は同じものを買ってみてはいかがでしょうか? ウェブカメラ ヘッドセット
リクルーターと電話でやりとり
Facebookのリクルーターと電話でやり取りします。最初は日本語で簡単にポジションの説明をしてくれ、その後に英語で私の自己紹介と多少のやり取りをしました。質問内容は一応伏せておきますが、Quoraとかで検索すると色々と出てきます(私は当時しらべませんでしたが)。終始しどろもどろだった記憶がありますが、Apitoreの話をして、Apitoreの全てを一人でやっているという話をしたときに「おもしろい」と言ってくれたのが嬉しかったです。電話が終わり、次の指示が出るまでに1日もかからなかった気がします。Facebookの採用は信じられないくらいスピーディーで、全てのプロセスが2日以内に終わりました。
コーディングテスト(オンライン)
オンラインのコーディングテストを指示されました。このコーディングテストの1週間前にPreffered Networkのコーディングテストを受けていたのもあり、問題は簡単に感じました。例えるならば、AtCoderのB問題かC問題くらいでしょうか。記憶が定かじゃないですが、問題文は英語だったような気がします。合格の通知は2日後くらいでした。
コーディングインタビュー(1回目、オンライン)
オンラインでウェブカメラとヘッドセットを使って面接します。もちろん英語です。自己紹介や志望動機などの通常の面接と、問題を出されて目の前で解くコーディングがあります。こちらの問題のレベルもAtCoderでいうところのB問題かC問題くらいでした。結果は3時間後くらいに通知されました。
アプリケーションレビュー(オンライン)
当初はオンサイトでFacebookオフィスで実施予定でしたが、台風が近づいたのでオンラインに切り替えてくれました。事前に課題を与えられて、それを作ってプレゼンします。もちろん英語です。アプリケーションなので作り込もうと思えばいくらでも作り込めます。私はApitoreで培った知見を存分に活かして結構作り込みました。課題の難易度については私は高くないと感じました(主観)が、作りづらい機能もあったのでそこそこ仕様は悩みました。結構自信作です(ソースコードを公開したいなあ)。ちなみに、肝心のインタビューではそのあたりを披露することも聞かれることもありませんでした(無念)。結果は6時間後くらいに通知されました(SoftBankの面接中)。
コーディングインタビュー(2回目、オンライン)
1回目と同様です。自己紹介の代わりに技術/仕様的な質問がありました。コーディングの難易度についても前回同様でした。AtCoderでいうところのB問題かC問題です。もちろん英語です。結果は2日後くらいに通知されました。
ビジネスインタビュー(オンサイト)
Facebook Japanのオフィスで面接です。最終面接と言われました。Facebook Japanのオフィスは森タワーにあり、私は先入観で六本木ヒルズに行きました。15分前に受付することを指示されていたのですが、15分前に「森タワー違い」を指摘されたときは笑いました。そしてめちゃくちゃ焦りました。間に合って良かった。森タワーどんだけあるんだよ笑 面接は驚くことに日本語でした。英語で特訓したので逆に言葉につまりました汗。今回はビジネス面でのインタビューで、個人的に私のエピソードは弱いなと感じていた部分でした。今回の転職活動ではビジネス面での接点を増やしたいという思いがあったので、これはどうにもならないです。ベストを尽くすしかないので、Apitoreでの営業の話や富士ゼロックスでの直近の活動の話(パートナー探索やエンドユーザー候補へのインタビュー等)を用意しました。ただ、面接では別のことを聞かれ(たように思ったけど今思うと私の理解不足だったかも)、その場で考えたことを述べました。結果は2日後に通知され、残念ながら不採用でした。今思うと、私のやり取りは不適切だったと思います。 ちなみに、オンサイト面接に行くと色々とFacebookグッズ(非売品)をくれます。
オプション:Facebook社員との交流(オンライン)
採用の過程でFacebook社員と交流しても良いと言われ、せっかくなので交流しました。シンガポールオフィスの方で、Facebookに勤めつつプライベートで色々とやっているという方でした。私はApitoreを続けるつもりでしたので、ちょうど興味があってお話しました。とても優秀で親切な方でした。こういう機会があるのは非常に良いですね。
オプション:インタビュープロセスのフィードバック(受験者目線)
試験官のためのフィードバックもあるみたいです。私は不採用でしたが、各面接やリクルーター、コーディネーターの評価を頼まれました。アンケートに答えたら、後日ご褒美が貰えました。
振り返り
Facebookの面接はとにかく意思決定が早かったです。これはすごい。面接を通して感じたことは、英語力・・・。なんとかコミュニケーションは出来ていたと思いますが、日本語に比べると少し手間取ることは仕方ないです。コミュニケーションは諦めたら終わりなので、私は面接ではわからないときは素直にわからないと言って何度も説明してもらいました。わからないまま放置したら結局不採用になるわけなので、わかるまで聞いて不採用になったほうがマシだという気持ちです。 Facebookは落ちた理由もフィードバックしてくれます。私の場合は「ネガティブなフィードバックは特にない。エンジニアリングもコミュニケーションも評価している。ただ、今回は募集が多く、あなたより優れた方が居たためにそちらを選択した」ということでした。ありがたいと思いつつ、残念ですね。しばらくはJapanの募集はないそうですが、海外のポジションを受けたらどうかと勧めてくれました。なので本社のポジションに応募しました(反応は全くありませんが)。 とは言いつつ、ちゃんと自分で振り返って見ると・・・落ちた理由に心当たりは多いですね笑(リクルーターのヒトの優しさが沁みます)。正直、面接が終わるたびに英語力が理由で落ちたと思ったし、ビジネス面でのエピソードを聞かれるたびに落ちたと思ったし、そもそもコンピテンシー合ってない(広告の知識ゼロ、営業の知識ゼロ)ので落ちたと思いました。ただ、エンジニアリングについては手応えがあったので、そこは自信につながりました。あと、先ほどの反省と矛盾しますが、英語にも自信がつきました。お互いがコミュニケーションする気持ちがあれば、そしてコミュニケーションを諦めなければ、英語だろうと何とかなるもんです。 広告の知識ゼロでも、営業経験ゼロでも、これまでの経験から新しいコトでも結果を出せる自信はあったんだけどなあ・・・。
おわりに
とても刺激的な経験でした。英語で終始面接をしたのも刺激的だったし、コーディングテストも刺激的でした。もっとはやくに落ちると思ってたので、最終面接まで行ったときはめちゃくちゃ緊張しました。面接のプロセスを通して、Facebookに行きたい熱が上がってた気がします。だってFacebookのミッションステートメントって本当にすばらしいんですよね、私がApitoreで実現したい想いと一緒だったから。Solutions Engineerという職もすごく面白そうだったので、やってみたかったですね・・・50%分の職務は私のコンピテンシーとミスマッチしてますけど驚。以上、Facebook Japanの面接体験談でした。